「続・難読姓氏・地名大辞典「丹羽基二(にわもとじ)2005/6/25」について、
感想を書いてみました。 (本は、都道府県の中央図書館で閲覧できます)
[はしがき]抜粋
筆者の集めた日本の苗字は、約30万個 ・・・
難読姓氏・地名大辞典:約3000項目、
続・難読姓氏・地名大辞典:約2000項目 合わせると5000項目になる。
類語を含めると、約5万の苗字・地名になる。 これだけ解れば一応は、苗字・地名のおおよそは
ご理解頂けるると思います。 ・・・
< でもこの30万個のデータを発表していないようですね。
5000項目(5万種)では、皆さんの満足感が得られないようですね。>
[あとがき]抜粋
N「私の生家の近くにある四十八願という地名を消さないように、町長さんに送る要望書さ」
A「なんだい。その四十八願とは? それが地名かね?」
N「そう。ヨイナラといって苗字にもある。栃木県(安蘇郡)葛生町の郊外だが古い地名で、こんどの
平成地名大合併で消されるかもしれない・・・・・」
N「苗字が地名を負い、それが土地の曰くを示していることは、これでも分かる。・・・」
この記述から、四十八願(よいなら):栃木県安蘇郡葛生町四十八願と連想されますが、調査してみると、
葛生町からは、この苗字が、1軒も発見できません。
<つまり、苗字と地名が一致していません。 (「あとがき」のフォローができていませんね)>
苗字と同じ地名は、確かに沢山あると思いますが、苗字と結び付かないと思います。
理由は、
1)その地名と同じ苗字では、大多数が同じ苗字ならば、人の判別できませんね。
2)都会から見た時に、○○地方の出身者だから、苗字の○○さんだと、解説されております。
何となく解りやすくそうかと納得しますが。
待てよ、逆の発想をすれば、ある地域で同じ苗字が存在するならば、苗字の意味を持ちません。
3)みなさんも、ある地域に同じ苗字が多数存在することの経験があると思います。
でも、地名とは、一致していないでしょう。
本書の最初の20苗字(22種)苗字について、検証してみました。
地名が乗っている苗字を順に見てみると、驚くなかれその苗字がその市町村に存在していません。
つまり、苗字と同じ地名をピックアップしただけのようです。
(その地域に、その苗字があるかどうかを調査していないですね)
苗字 | 全国軒数 | その地名の存在地 | 市町村の軒数 | 備考 (全国軒数との比率) |
|
1 | 阿 | 13 | 熊本県天草市松島町阿村 栃木県黒羽町阿寺 |
0 0 |
|
1a | 阿見 | 233 | 大阪府美原町阿弥 茨城県阿見町阿見 |
0 0 |
|
2 |
愛洲 | 22 | 和歌山県熊野川町 | 0 | |
3 | 間 | 1048 | |||
4 | 葵 | 45 | |||
5 | 青木 | 70,037 | 埼玉県坂戸市青木 | 39 | 0.05% |
6 | 青墓 | 0 | 岐阜県大垣市青墓町 | 0 | |
7 | 青羽根 | 0 | |||
8 | 赤城 | 1017 | 埼玉県川里町赤城 | 0 | |
9 | 赤木 | 5520 | 和歌山県熊野川町赤木 | 0 | |
10 | 赤熊 | 80 | |||
11 | 明石 | 4810 | 群馬県安中市明石 兵庫県明石市 岡山県新見市明石 宮城県富谷町明石 熊本県牛深市明石 |
0 11 0 2 2 |
0.2% 0.04% 0.04% |
12 | 赤田 | 1243 | 岡山県大原町赤田 | 0 | |
13 | 暁 | 42 | |||
14 | 赤泊 | 31 | 高知県大月町赤泊 新潟県佐渡市赤泊 |
0 0 |
|
15 | 赤仁田 | 4 | |||
16 | 赤波江 | 72 | |||
17 | 赤禿 | 3 | 秋田西仙北町赤禿 | 0 | |
18 | 赤花 | 1 | 岐阜県大垣市赤花 兵庫県但東町赤花 |
0 0 |
|
19 | 赤羽根 |
570 | 岩手県遠野市赤羽根 神奈川県厚木市赤羽根 岩手県水沢市赤羽根 宮城県河南町赤羽根 山口県美川町赤羽根 |
2 0 0 0 0 |
|
19b | 赤羽 | 4048 | 栃木県真岡市赤羽 新潟県五泉市赤羽 青森県階上町赤羽 東京都北区赤羽 |
23 0 0 17 |
0.5% 0.4% |
20 | 赤穂 | 616 | 山口県萩市赤穂瀬 兵庫県赤穂市 |
0 0 |
|
計 | 20苗字 (22種) |
89,455 軒 |
掲載市町村 31ヶ所 存在市町村 7ヶ所 存在しない 24ヶ所 |
96軒 |
0.1% |
− | 青墓、青羽根:確認できず |
「続・難読姓氏・地名大辞典」のタイトルから、読者は苗字は地名に由来があると連想しますね。
1)私は、自分の苗字(須崎)の全国調査をして、地形(地名)とほとんど関係ないことを数年前(1999年)に確認しました。
2)その後、他の苗字を調査してみると、地名と一致するケースは、ほとんどありませんでした。