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苗字の由来                                苗字Topへ

  以下は、苗字調査の実施・過程で得た情報を記述しております。
  したがって、この内容について正しいかとか誤っているとかは、各人が判断してお読みください。


はじめに
 私たちの苗字には、由来があるのでしょうか?
   (1){夢やロマンをなくしてしまいますが}ほとんどの方々の苗字には、苗字本に記述されているような
      貴族や武士、土地に由来する」こと は少ないと思われます。 <由来:物事のいわれ、来歴。ゆいしょ>
   (2)「由来・出自」を考えるのが、妥当と思われます。     <出自:出どころ、生まれ>
      「××」の地名から発生した苗字であるは、可能性が少ないと思います。
      「○○等を出自、○○から発祥」は、可能性ありと思います。
      「△△臣、△△連、△△氏族流がある」(貴族・武士)は、6%程度の人々にしか該当しないと思われます。

<由来の比較>
内容 日本苗字大辞典 苗字7000傑
(上位1000種)
全国地名辞典
(100種)
全国の苗字(名字)
 須アの考え
土地に由来 85% 610件 50% 1%以下
貴族・武士 - 1000件 - 6%
15% - - -
由来なし - - - 93%

 1)「日本苗字大辞典」
    85%の苗字が土地に由来すると記述されておりますが、こんなに多数あるとは思えません。
    (その苗字は、「由来する土地にではなく、その近郊に存在する」との説もあります)
    土地に由来するかどうかについて、その「確証」をとることは困難と思います。
    85%もあるならば、”私の苗字は××地方に由来します”と言う人々が多数いても良いが、聞いたことがありません。
      ”私の苗字は、××地方に多く、父(祖父)がその地方の出身です”は、良く聞くと思います。
 2)Web掲載・「苗字7000傑」(上位1000種)欄は、苗字の由来の記述内容を調査して整理した結果です。
    土地に由来は、61%、貴族・武士に由来は100% (重複が61%有る)でした。
    ある苗字の一部の方々(6%程度)が、この由来に該当すると考えるべきです。
 3)「全国地名辞典」の上位100種の苗字について、その地名があるか調査しました。
    苗字と地名は、50%も一致しました。 
    苗字も地名も主に「2文字の漢字」で構成されているので、一致するものが多くあると考えます。
 4)「須崎の考え」
    土地と苗字が一致したのは、1%以下でした。(その近郊を含めても1%以下
    土地が先に命名され、そこから人の苗字が命名がされる順序は理解できません。(人名が先と考えます)
 
 1 概要
    自分の苗字の軒数が少ない人ほど、その由来を知りたがるようです。
   それは苗字本に記載されていないからですが、一般的に苗字の由来は自分で調査しないと分からないもののようです。

苗字本を見て、そこに自分の苗字が記述されていれば、その内容を見て、鵜呑みにして、
「貴族や武士と繋がる記述に」安心していませんか

小生も、そのまま「苗字本」の記述内容を信じていました。
 10年ほど前に、軽い気持ちで自分の苗字(須崎)の調査をNTT電話帳で始めました。 
その結果、苗字本の内容に疑問を感じました。

  須崎の記述例 <日本「苗字由来」総覧から>
  河川の土砂によってできた州、その突端。武蔵国多摩郡御嶽社々家に須崎氏。
  中臣氏を出自とする。伊勢、武蔵、土佐などに須崎の地名が多い。
  洲前(すさき)に通じる。
<調査結果>
(1)    須崎の苗字が存在する市町村を調査してゆくと、その付近に河川がない
   (河川がある場合でも、洲になるような大きい川がない)
(2)    高知県(土佐)に須崎市があるが、須崎の苗字がない
  <高知県の須崎は3軒。 三重県:146軒、東京都:725軒、神奈川県:109軒>
   高知県須崎市に須崎家がない
(3)    中臣の苗字が少ない(中臣:130軒、須崎:2885軒)

     これは「日本「苗字由来」総覧」の記述が、真実ではないからと思うようになってきました。
    最初に記述した著者の文言が、その後の著者に順次・受け継がれてきていると確信してきました。

2 苗字の疑問
(ア) 
苗字の由来を本当に調査しているか?

    苗字本の著者は、全て調査して、記述はしていないと推定します。
     自分の苗字に関して由来を調べた人々は、1〜数年かけて調査しています。
    自分の苗字の由来を調べ始めた方ならば、なかなか大変だと理解できると思います。
      小生もやはり、1年くらい調査しました。
    全国分布は、図書館にあるNTT電話帳を4ケ月(30日:180時間)調査しました。
     自分の苗字を調査するだけでも大変なのに、
他人の由来を調べる人がいるか大変疑問です。

     1種の苗字の由来を調査するのに10時間としても、1万種で10万時間もかかります。
    (100,000[H]=5人×2万人日=5人×5H×4,000日=11年)

(イ)  苗字は30万種か?
    苗字の種類が30万種は、苗字の読みを含めてカウントした苗字の数です。
 
    コンピュータやパソコンがない時代に、これだけの苗字を正確に集計することは大変なことです。
    著名な苗字本の執筆者の調査方法は、
全国の墓地を調べ歩いて30万種であることを確認したそうである。
    つまり、墓石からの調査ならば、苗字は漢字数で30万種と言うことになります。
       (墓石にフリガナはない)


(ウ) 
苗字は、地名に由来する?

   (1)地名から発生したとは、考えづらい。
     電子電話帳で10万種の苗字を調査してみて、苗字が地名と一致する場合が、ほとんどなかった。

     苗字と同じ地名は、確かに沢山ありますが、苗字と結び付かないのではと思います。
     (理由は、ある土地で同じ苗字が存在するならば、“個人を区別するため”の苗字の意味を持ちません)

     「確率」:苗字と土地が一致する確率
      10万種の苗字が、土地と一致する確率は、
       1÷100,000×100[%]=0.001[%]    (一致しない確率は、99.999%])

   (2) ある苗字は、発祥地名の周辺にあると言う説
     その土地とその苗字が一致しないことから、その周辺にあると言っている説でありますが、
     この説の四方八方16方向の土地を考慮しても、確率は0.016[%]16方にて)である。
     1000方位でも 0.001×1000方位=1[%]
     確率としては、その確率が7080[%]以上でないと、相関性があると判定できません。
     つまり、苗字は地名から発生したとする説は、「信ぴょう性がない」と考えるのが妥当のようです。

   (3) 地名と苗字
      地名から苗字が発生したならば、その土地その苗字が存在する確率が高くなるべきです。
      しかし、苗字と土地名が一致する事例は非常に少なかった(100種以下)

   (4)85%の苗字が地名に由来する
      根拠に関する、資料を物色しましたら、「姓氏・家系・家紋の調べ方」(新人物往来記(丹羽基二)に
      その記述がありました。
      使用したデータは、武士や公家の苗字データから、推定していることが判明しました。
      一般の人々の苗字(94%
)は、その由来が適用できるかは、検討すべきと思われます。


    貴族、武士からの由来
   Q:ある苗字は、貴族や武士に由来するとあるが、確かにそうであるか?
   A:ほとんどの人々は、まず違うと考えるのが妥当のようです。
     貴族や武士に由来する確率は、6%程度と考えます。
     「残念ながら、ほとんどの方々(94%)は該当しないと考えられます。」

(ア)  貴族に由来する確率は、0.01
    貴族に由来するとすれば、奈良時代までさかのぼることになります。
    その当時の貴族は100軒程度(人口では450人程度)だそうである。

     (人口:奈良時代・450万人、平安時代・550万人)
     貴族の確率は、450人÷4500,000人×1000.01[] です。

    このことから、苗字の由来で、貴族の記述があっても、自分の苗字が貴族に由来する確率は、0.01%となります。
    貴族に由来するならば、家系図があるべきです。

(イ)  武士に由来する確率は、6% 
    武士に由来するとすれば、鎌倉時代までさかのぼる必要があります。

    武士の数がわかるデータは、「明治6年の記録」があります。これから推定すると

    明治6年1月調べ:旧武士数は平民の16分の1にして総数408,823戸、1,852,445人であった。
    (幕末においてもこの数字と大差なかったものと考えられます)
    人口構成は概数的に6.25%である。(土屋喬雄「幕末武士の階級的本質」から引用)


    人口:明治5年・34,800,000人を使用する
      武士に由来する確率は、1852,445人÷34,800,000人×1005.3[] =>概略[%]

4 苗字の由来
(ア) 
由緒ある家系では、家系図が残されていますが、ほとんどの人々は家系図は持っていないと思います。
   
(家系図がない:このことから、○○系に繋がらないとみるべきです)
(イ)  家系図がある家は、貴族や武士につながる由緒ある家系と言えると思います。
  大多数の苗字は、自然発生的に適当に(適切に)苗字がつけられたと考えます。

5 苗字の由来調査方法
   各人の苗字の由来は、94%が苗字本に記載されている内容とは一致しないことになります。

   したがって、自分で調べるべきもののようです。

   由来の調査方法(自分のことは自分で調査する)
  1)NTT電話帳で調査する(時間はかかるが、お金がかからない方法)
    NTT電話帳は、各市町村の中央図書館に日本全国の電話帳があります。 
    「あいうえお」順に記載されていますので、該当するページで各市町村の軒数を調べることができます。

    <約200冊の電話帳で、2100市町村を調べることができます>
  2)電子電話帳で調べる(写録宝夢巣 約¥8,000を購入する)
    写録宝夢巣を利用すると、数秒で全国の該当する苗字の氏名・電話番号がでてきます。
    電子電話帳は、読みがないので上記のNTT電話帳を併用すれば、読みも分かります。
    読みが違う苗字は、家系が違うかは各人で判断しましょう。
  3)これ以上調査する場合は、該当する家に電話すれば良いでしょう
  4)過去帳や家系図があれば、それを利用しましょう。
    (自宅やお寺にある過去帳は、有力な手がかりになります)
  5)家紋も同時に調査すると、同一家系かの区別がつくと思われます。

    まとめ
(ア)  ほとんどの人々の苗字は、貴族や武士につながらない
   (由緒ある家系図がある人々を除く)
(イ)  苗字は、地名に由来するとは思えない

(ウ)  苗字は、個人を区別するために個々に適宜、名乗られたと考えられる。


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